2026年1月、人気番組「探偵!ナイトスクープ」で放送された大家族の日常が、ネット上で異例の大炎上を巻き起こしている。

6人の子供を育てる母親の言動に、X(旧Twitter)、Instagram、ヤフコメなど、あらゆるプラットフォームで世代や性別を超えた批判が殺到しているのだ。

良識のある視聴者たちからは

「気持ちは分かるけど、さすがにこれは度を越している」

「12歳の子供にここまで負担を強いるのは違うのでは」

という声が相次いでいる。

実は当初、私は「この家庭がそこまで炎上することだろうか」と冷ややかに見ていた。

しかし、母親のSNSを見ているうちに、色々と察するところが出てきた。

なので今回の記事では、SNSに残された投稿内容や番組での発言を分析しながら、この問題がなぜこれほどまでに多くの人々の心を揺さぶったのか、その本質を探っていこうと思う。

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母親のSNSから見える独特な価値観

ヤングケアラー長男の母親が運営するInstagramの投稿を見ると、エステサロン経営者としての華やかな日常や、大家族を切り盛りする様子が数多く綴られている。

6人の子育てをしながら仕事も頑張る姿は、一見するとバイタリティに溢れた現代の働く母親像のようにも映る。

SNSで自分の日常を発信すること自体は、決して悪いことではない。

育児の合間の息抜きとして、あるいは同じ境遇の人たちとの交流の場として、SNSを活用している母親は少なくないだろう。

しかし、その投稿内容には、多くの母親が「ちょっと待って」と立ち止まってしまうような表現が散見されるのだ。

 

例えば、子供たちを名前ではなく「ファースト」「セカンド」「サード」と番号で呼ぶスタイル。

これは単なる愛称やニックネームの範疇を超えて、一人ひとりの個性を記号化しているように見えてしまうのだ。

もちろん、大家族ならではの呼び方の工夫なのかもしれない。

だが、我が子を産んだ順番で管理するような呼び方に、違和感を覚える人が多いのも事実だろう。

 

長男の体臭や子供をナンバーで呼ぶ母親のインスタ母親のインスタより

 

さらに議論を呼んでいるのが、子供の容姿や体臭に関する投稿である。

ネット上に拡散された過去の投稿では、長女を「ブシュ(ブス)」「どすこい」と表現し、長男の体臭を「ほんま我慢ならん」と書き込んでいた。

SNSでウケを狙った強めのジョークだったのかもしれない。

子育ての愚痴や本音を、あえて笑いに変えて発信するスタイルの母親アカウントは、確かに存在する。

しかし、思春期を迎える子供にとって、容姿や体臭は極めてデリケートな問題だ。

それを実の母親から、不特定多数が見るSNSで晒されるという状況は、たとえジョークのつもりであっても、子供の心を深く傷つける可能性がある。

これらの投稿は一度インターネット上に公開されれば「デジタルタトゥー」として残り続ける。

将来、子供たちがこれらを目にしたとき、どう感じるだろうか——その想像力が、少し足りなかったのではないかと感じた人はきっと多いだろう。

育児の大変さを発信することと、子供の尊厳を守ることのバランス。

これは、SNS時代の親が常に意識しなければならない難しい課題なのだ。

母親が長男を道具のように扱うのは当然か?

番組放送後、最も多くの反応を集めたのが、SNSに投稿されていた「結構使える、長男」という言葉だった。

一見スルーしてしまいそうなこの表現だが、SNSで多くの人が指摘するようにここにも母親の偏った価値観が見え隠れしている。

確かに、子供が成長して家事を手伝ってくれるようになったとき、「助かる」「頼りになる」と感じるのは自然な感情だ。

上の子が下の子の面倒を見てくれたり、食事の準備を手伝ってくれたりすると、親としては本当に救われる瞬間がある。

しかし、「使える」という言葉には、どこか我が子を労働力として評価しているニュアンスが含まれているように感じられる。

長男を一人の人間として慈しむのではなく、自分の負担を減らしてくれる「便利なツール」として見ているように受け取られてしまったのだ。

もちろん、母親に悪気があったとは限らない。

何気なく使った言葉が、思わぬ形で誤解を招いてしまうことは、誰にでもあるだろう。

ただ、この表現が多くの母親の心に引っかかったのは、番組で映し出された長男の過酷な日常と重なったからではないだろうか。

8歳の長女が乳児を抱っこしているシーンも映っている8歳長女が乳児を抱っこしているシーンも

探偵ナイトスクープ、長女のツッコミ探偵ナイトスクープより

8歳長女のこのツッコミも微笑ましいと思ってたが、実は次男・長女にも下の子たちの育児の負担があったのではないだろうか。

 

①母親が子供を番号で呼ぶ異常な価値観

ヤングケアラー長男の母親は、子供たちを名前ではなく、「ファースト・セカンド・サード」といった感じで出生順の番号で呼称している。

大家族ならではの合理的な呼び方として始まったのかもしれない。

あるいは、SNS上でプライバシーを守るための配慮だった可能性もあるだろう。

しかし、この「番号化」という行為には、心理学的に見て気になる側面がある。

子育てを経験した人なら分かるだろうが、我が子を呼ぶときの名前には、愛情と願いが込められている。

その名前を使わず番号で呼ぶということは、意図せずとも一人ひとりの個性や感情から距離を置いてしまう効果があるのだ。

もちろん、家庭内では愛情たっぷりに名前で呼んでいて、SNS上だけの表現かもしれない。

だとしても、公の場でこうした呼び方を続けることで、子供たち自身がどう感じるかは考える必要があるだろう。

 

②長男を「使える労働力」と呼ぶ冷酷さ

さらに注目されたのが、長男がわずか6歳の頃から「使える」と表現していた投稿の存在だ。

6歳といえば、小学校に入学したばかりの年齢である。

上の子が下の子のお世話を少し手伝ってくれるようになって、思わず「頼もしい」と感じる——そんな親心は理解できる。

しかし、この年齢から既に「労働力」として評価する視点があったとすれば、少し心配になるのも事実だ。

子供には、子供らしく遊び、失敗を繰り返しながら成長していく時間が必要だ。

家事の手伝いを通して責任感を育てることは大切だが、それが過度な負担になってはいけない。

そのバランスが、この家庭では少し崩れてしまっているように映る。

多くの人たちが危惧しているのはその部分なのだ。

③子供の体臭や容姿をSNSで侮辱する心理

思春期に差し掛かる子供の身体的変化について、SNSで触れることの是非はかなり気をつけなければならない。

育児の大変さや本音を発信するスタイルのアカウントでは、時にこうした生々しい話題も扱われることがある。

「リアルな育児の姿を伝えたい」という思いがあったのかもしれない。

しかし、体臭が気になり始めた子供に対して、一緒に制汗剤を選んであげたり、優しくケアの方法を教えてあげたりするのが、多くの親が選ぶ対応ではないだろうか。

長女に対する「ブシュ」「どすこい」という表現も、家族内のジョークだったのかもしれない。

だが、それを不特定多数が見るSNSで発信することで、子供の自尊心が傷つく可能性は考慮すべきだっただろう。

たとえジョークのつもりであっても、子供の立場に立って想像してみることが大切なのだ。

それができないのであれば「毒親」と呼ばれても仕方がない。

正直、子供のネガティブな部分をネタにSNS投稿する部分については、私自身、かなり胸が苦しくなってしまった。

ここだけで毒親とは言いたくないが、親からそのような目で見られているとしたら本当につらいし、涙が出そうになる。

④自分の楽のために子供を犠牲にする思考

母親は自らのInstagramで「家事育児はできるだけしたくない!笑」と投稿している。

正直に言えば、この気持ちに共感する母親は少なくないのではないだろうか。

育児は美しいことばかりではなく、時に苦しく、逃げ出したくなる瞬間もある。

夜泣きに悩まされ、イヤイヤ期に振り回され、家事と育児の両立に疲れ果てる——そんな本音をSNSに吐き出すことで、救われる母親もいるはずだ。

ただ、ナイトスクープやSNSの内容から察するに、この家庭の場合は経済的にシッターや保育サービスを利用できる余裕があるように見える。

児童手当の試算と解決可能性の明示

子供6人となると、児童手当は毎月14万円だ。

それにもかかわらず、12歳の長男に過度な負担を強いている現実がある。

しかもそれを「子供たちが助けに来てくれた」と美化し、SNSでは「最高のワンチーム!!!!」と発信している。

この表現が多くの母親の心に引っかかったのは、子供の負担を軽く見ているように感じられたからではないだろうか。

親として本音を吐き出すことと、実際の育児責任を果たすことは、別の問題なのだ。

 

いま考えると、ナイトスクープで霜降り明星のせいやが「お前はまだ12歳や!大人になんかなんなよ」と、長男を抱っこしながら投げかけた言葉がなぜこんなに響いたのか。

また麒麟の田村がコーナー最後で「遊んで『楽しい』はなく、『楽できた』っていうのがね…」とコメントしていたこと。

その言葉はプロの芸人を超えたメッセージだったように思う。

子供が親の代わりを務めることで、本来受けるべき甘えや成長の機会を奪われてしまっている状態に対する、彼らなりの『異議申し立て』だったのかもしれない。

コーナーのオチとして使われた「(長男に)米7合炊いといてー!」という母親の声を入れた編集は、いま考えると番組側からの問題提起だったという見方もできなくはない。

ただその一方で、それらの言葉が長男の日常を物語っていて悲しくなった。

母親の言動に透ける自己中心的な性格

あべはるかの子育てライフハック

母親のSNSでの言動を見ていると、色々なことがわかってくる。

たとえば、自身を「ポンコツ母」と表現することで、周囲の批判を先回りして避けようとする姿勢が見えてくる等。

「自分はポンコツだから仕方ない」と先に言ってしまえば、多少の失敗は許されると考えているのかもしれない。

確かに、完璧な親などいない。

誰もが試行錯誤しながら、失敗を繰り返しながら、親として成長していくものだ。

自分の至らなさを認めて「ポンコツ」と自虐することは、時には謙虚さの表れでもあるだろう。

しかし、この母親の場合は「ポンコツ母」と言いながらも、実際には状況を改善しようという姿勢が見えにくいところがある。

別の投稿では、自らを「ヒトラーのママ」と自称し、開き直っている場面もあるからだ。

これでは視聴者から信頼を得られない。

 

もし本当にSNSで遊び歩く様子を投稿し続け、長男に家事育児を任せる生活を続けているのであれば、これでは自虐ではなく、ただの言い訳だと言われても仕方がない。

また「子供たちが自分を助けるために生まれてきてくれた」という発言も、考え方次第では美しい家族愛のように聞こえるかもしれない。

しかし、この言葉の裏には「親が子を育てる」という本来の責任の所在が曖昧になっている問題がある。

子供が親を助けることと、親が子供に過度な負担を強いることは、全く別の話なのだ。

番組内で麒麟の田村が指摘したように、長男が「楽しかった」ではなく「(せいや氏が手伝ってくれて)楽だった」と漏らした言葉は、多くの視聴者の胸に刺さったと思う。

12歳の子供が、1日だけ家事から解放されたことを「楽しかった」ではなく「楽だった」と表現する——この言葉の重み。

私たち大人は、この言葉を真剣に受け止める必要があるだろう。

誰もが完璧な親ではいられない。

しかし、子供に過度な負担がかかっていることに気づいたなら、何かを変えようとする姿勢は必要なのではないだろうか。

まとめ

「探偵!ナイトスクープ」の放送をきっかけに起きた今回の騒動は、SNS時代の育児が抱える難しさを浮き彫りにした。

育児の本音を発信することと、子供の尊厳を守ることのバランスは、多くの親が悩む問題だろう。

この母親を一方的に責めることは簡単だが、完璧な親などいないという事実も忘れてはならない。

実際、一方的に親を非難したところで何の解決もしないだろう。

それが本当に歯がゆいからこそ、こうやってSNSでの炎上が止まらないという見方もできる。

ただ、12歳の少年が友達と遊ぶことも許されず、家族のケアに追われている現実があるのなら、何かを変える必要があることは確かだ。

このような状況にあるヤングケアラーを「よその家のこと」として見過ごせないのは、親の支配によって苦しんでいる人が潜在的にたくさんいるからだと思う。

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もちろん真相はわからないが、家族の絆という言葉が、誰かの犠牲を隠すための隠れ蓑になってはならないことは誰もが感じているところだろう。

追記(2026-2-1)

今回の炎上騒動を受けて、ABCテレビが今放送回の過剰な演出を認めている。

この記事内容も、そういう過剰演出があった状況での炎上を記事にしたことをここに明記しておく。

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