無灯火・イヤホン運転で起きた自転車事故に思うこと

2021年12月の早朝、無灯火でイヤホンをつけたまま自転車に乗っていた高1男子が、歩道を歩いていた男性とぶつかり、そのはずみで歩いていた男性が車道に倒れ、トラックにはねられて亡くなるという事故が起きた。

男子高校生は「前をあまり見ていなかった」と話しているそうで、トラック運転手は「急に出てきた」と話しているとのこと。

亡くなられた男性にとっては災難だったとしかいえない事故だ。

僕もよくウォーキングをしているので、亡くなられた男性は本当に最難な目に遭われてしまったと思う。ご冥福を祈りたい。

そして一親としても、男子高校生のご両親のことを考えると本当に辛い気持ちになってくる。

このような事故が起きないために、この事故の悲しみ、これから気をつけておくべきことを記しておこうと思う。

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無灯火イヤホン運転の高1自転車事故

2021年12月2日の午前5時半すぎ、東京・足立区西新井の環状7号線内回りの歩道でこの事故は起きた。まだ早朝。ようやく日が昇りかけ、空が白んできた頃で、人も車もまだそれほど多くない時間帯だ。

高校一年生の男子生徒(16)は通学途中で、無灯火でイヤホンをしながら自転車に乗っていたとのこと。

そして、その男子高校生の前方不注意で、前から歩いてくる男性(75)と接触。

そのはずみで男性は車道側に転倒

その直後、車道を走る2トントラックにひかれてしまい、現場で死亡が確認されたとのこと。

無灯火で自転車に乗っていた男子高校生と歩行者とトラックの事故イメージ

男子高校生は直前で男性に気づいてブレーキをかけるも間に合わず、肩と肩がぶつかったと話しているというが、いずれにせよ自転車側の前方不注意だけでなく、無灯火やイヤホン運転によって歩行者との接触が誘発されてしまったことは間違いなさそうだ。

男子高校生は現在、重過失致死の疑いで捜査を受けている。

そしてトラックの男性運転手(52)も「急に出てきた」と話しているも、過失運転致死の疑いで捜査を受けている。

詳しい状況がわからないのでなんともいえないが、トラック運転手にとっては不幸な話にも聞こえる。

ただ、(ニュースを見る限り)事故現場が交差点付近に見えるし、当時どれくらいの速度を出していたかによってどうなるか分かれるところだろう。

無灯火イヤホン運転の東京足立区の事故現場

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無灯火で自転車を運転するリスク

僕は最初、このニュースを聞いた時、“夕方の”5時半だと思っていた。

もしこの事故が夕方だったなら、もう少し印象が変わっていたかもしれない。

というのも、早朝5時半に見かける高校生というのはほぼ間違いなく朝練に参加するために起きていたのだと思うからだ。

だからといって事故を起こしたことは許されることではないのだが、早朝の暗い時間に早起きして学校へ向かっていたこの男子高校生のことを思うと、あとほんの少しのマナーを守るだけで事故を起こさずに済んだのにと悔やまれる。

マナーというのは『灯火して自転車に乗る』ということだ。

もちろん、イヤホンで音楽を聴かずに走るというのも大事なのだが、歩行者目線で考えるなら、暗い時間帯に自転車に乗るのであれば絶対に灯火だけはしてほしい。

暗闇から猛スピードで走ってくる自転車は、歩行者からみて本当に恐怖でしかない。

僕も毎日夕方にウォーキングしているのでよくわかるのだが、自転車が灯火しているか灯火していないかで、その存在を認識するタイミングがかなり変わってくる。

更に言うと、暗い時間帯に無灯火で走ってくる自転車は、自分のことしか考えていない傾向にあると考えられる。

なぜなら、灯火するのは自分の視界を明るくするためではなく、相手に自分の存在を認識してもらうためにするという意味合いが強いからだ。東京のような都会なら特にこれは覚えておくべきだ。

前から自転車が来ると、ウォーキングをしている人ならちゃんと身構える。それほど自転車というのはすれ違うときに怖いのだ。

今回、事故で亡くなられた75歳の男性も朝5時半に歩いていたというのだから、年齢的に考えてもウォーキングの最中だったのだろうと推察する。年寄りは早起きだというが、朝に歩いていたということは日々の健康を考えてのことだろう。

何が言いたいのかというと、決してボーッと歩いていたわけではないということだ。

もし、男子高校生が自転車のライトを付けていたら、75歳の男性もこのタイミングで命を落とさなかったかもしれないし、トラック運転手だって寝覚めの悪い出来事に巻き込まれなかったかもしれない。

本当にそこが悔やまれて仕方ない。

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自転車に乗りながらのイヤホン使用について

イヤホンで音楽を聴きながら自転車を乗っている人をよく見かける。

東京都の条例では、イヤホン使用の自転車走行は禁止とされているので、今回の事故はその点においてもアウトだと言えるだろう。

しかし、通勤や通学などのルーティンで自転車に乗る人の中には、イヤホンをつけて自転車に乗る人も結構多いと思う。

僕も昔、漫画『スラムダンク』で流川楓が練習に向かう前に自転車に乗りながら音楽を聴くシーンを見て格好いいと思って、それを真似したことがある。

イヤホンをしながら自転車に乗る流川楓

もう30年前近くも前の描写なのでとやかく言うことは全くないのだが、学校に行く前、仕事に行く前にテンションを上げたいという気持ちもわかる。ひょっとしたら、事故を起こした男子高校生もそんな感じだったのかもしれない。

なので、条例で自転車のイヤホン使用禁止とあっても、厳しい取り締まりなどが行われていない現状を考えれば、イヤホンをしながら自転車に乗る人は今後も普通にいるはずだ。

そうなると各々のマナー意識に訴えるしか手がなくなるので、今回のような事故は一時のニュースで済ませてはいけないのではないだろうか。

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親は子供の自転車灯火を促してほしい

皆がスマホを持ち、サブスク利用者も増え、Bluetoothイヤホンも安価となっている今、日常的にイヤホンで音楽を聴く若者が今後も増えてくるだろう。

そういう背景を考えれば、自転車だけでなく、ジョギング中に音楽を聴いたりするのも当然と言えば当然だ。

ひどいのになってくると、スマホを見ながら自転車に乗るバカモノもいる。

親としては、我が子がこのようなことをしていないか心配するところだが、子供が中学・高校生にもなってくると、親の知らないところでそういうマナー違反を行っていることも考えなければいけない。

だからこそ、親御さんは子供に自転車用ライトをつけるよう促したり、こういう事故があったことを出かける前に話すなどしてほしい。

昔の自転車用ライトは自家発電でペダルが重くなったものだが、今はワンタッチでビックリするくらい明るい。もしライトがないのであれば、アマゾンで中華製を買っても1~2,000円くらいだし、このような事故が防げることを考えれば安い投資だと言える。

先日、コロナ禍によって世の中が非接触社会化したことで自転車に乗る人が増えていることがニュースになっていた。

しかしそういった母数が増えたことで自転車事故も増えてくるだろう。実際、約3週間ほど前にも、大阪・枚方市の歩道で男子中学生が同じような事故を起こして、70歳の男性が亡くなられている。

今回の事故を他人事としてスルーせずに、ちゃんと教訓として活かしていかなければならない。

 

スマホが出てきてから、人は本当に周りを見なくなったと思う。

皆、取り憑かれたようにあの小さな画面を覗き込んでいる。

そのために昔では考えられなかったような事故やトラブルが増えた。

学校へ向かっていた男子高校生、ウォーキングをしていた(であろう)男子、トラック運転手、三者ともまだ日も昇りきらない早朝から頑張っていた人たちだと考えると、今回の事故は本当に悲しい。

僕も一親として子供に注意を促していこうと思う。

そして、二度とこのような事故が起こらないようにと願う。

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