大量廃棄?牛乳がなぜ5000トンも余るのか超わかりやすく解説!

2021年の年の瀬、「年末年始に牛乳を飲もう」という岸田首相からの呼びかけをやたらとニュースで見かける。

どうやら牛乳が余っているらしい。

5000トンも!

なぜそんなに牛乳が余るのか疑問に思って調べてみると、どうやら新型コロナの影響で飲食店向けの牛乳が余って困ったとのことらしい。

要するにこのままだと5000トンもの牛乳が廃棄されるということだ。

で、その解決法として「皆、もっと牛乳買って飲んで」と国から呼びかけを行っているとのこと。

とはいえあまりピンとこない話なので、今回は牛乳がなぜ余ってしまったか、なぜ消費者に訴えているのかなどをわかりやすく解説していこうと思う。

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「牛乳を飲もうキャンペーン」をわかりやすく解説

まずはこの年末年始に行われている『牛乳を飲もうキャンペーン』について簡単に説明していこう。

そもそも、なぜそんなに牛乳が余ってるのか?

その理由は大きく3つある。

牛乳が余る理由
  1. 今年は牛乳を作りすぎた
  2. コロナで飲食店から注文が減った
  3. 年末年始は牛乳の需要が減る

    そんなわけで、いま余りそうな牛乳を『バター』や『脱脂粉乳』などに使おうと頑張っているけれど、それでも5000トンほど余るという計算になるとのこと。

     

    5000トン=牛乳パック約500万本

     

    たしかにこの量が廃棄処分になるのはもったいない。

    だったら「もっと安くしてくれないかな」と思ってしまうのが我々一般庶民の率直な感想だが、それはちょっと難しいとのことらしい。

    というのも、ただ価格を下げただけでは、酪農家の収入が減ってしまうという問題が出てくるからだ。

    それは無料で配るということも同じで、無料で配った分だけ牛乳が売れなくなってしまっては、同じように酪農家の収入が減ってしまう。

    問題は“ここ”なのだ。

    なので、国が酪農家の力添えとして「年末年始は牛乳を飲もうキャンペーン」をやっているということだ。

    ではそのキャンペーンを進めるようになった理由を伝える前に、なぜそんなに牛乳が余る事態になってしまったのかを見ていこう。

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    なぜそんなに牛乳を余らせてしまったのか?

    沢山の乳牛がいる牧場

    「そんなに困ってるなら協力しましょうか」ということで、僕もホットミルクを飲みながらこの記事を書いてたりするのだが、そもそも『なぜそんなに牛乳を余らせてしまったのか?』と疑問に思う。

    ぶっちゃけ「なに張り切って作りすぎちゃってんの」と思ったわけだが、そこにはこんな理由があったようだ。

    酪農業界では、近年のバター不足・原材料の高騰を解消すべく日々努力し続けてくれていた。

    そんな中、暑さに弱い牛にとって今年の冷夏が追い風となり、思いの外、生産が好調になった

    そのために2021年は大量の牛乳が余ってしまったとのこと。

    僕の知り合いにもケーキ屋を営んでいる人がいるが、バター不足についての話は実際に聞いたことがある。

    その問題を解消すべく頑張ってくれていた結果だとしたら、そこは協力してあげたいと思うのが人情だ。

     

    ただ、それでもいくつか疑問も出てくるので、それらについて簡単に解説していこう。

    余った牛乳をもっとバターに変えないのはなぜ?

    すでに『バター』や『脱脂粉乳』などの乳製品に変える加工を全国的にフル稼働している。

    しかし、その元となる生乳の貯蔵期限が差し迫っているため、乳製品の加工だけでは処理しきれない。

    なので、牛乳として早く消費しなければいけない。

    生産量を減らせばよかったのでは?

    「問題が起こる前にそれを防げなかったのか?」という疑問は必ず出てくるが、生乳の生産量を抑えることは難しいとのこと。

    理由としては、牛の搾乳を止めると乳房炎という病気になること。

    牛の数を減らせば、現在の供給を回復させるのに3年の月日がかかるということ。

    それプラス、新型コロナの影響で飲食店の需要が落ち込んでいるため、飲食店からの牛乳の注文が一時的に減っているという背景もある。

    なので、飲食店などのサービス業の需要が高まってきた時のことを考えれば生産量を抑えるべきではないというのも納得だ。

    年末年始の見通しが甘くない?

    年末年始は給食もなく、スーパーや飲食店も元旦・正月に休みをとるところは多い。そのために牛乳の需要が下がってしまうということも問題点として挙げられていた。

    しかしよく考えてみるとそれは毎年のことなので、その点については「業界の見通しが甘くないか?」という声もある。

    もちろん、新型コロナの影響もあっていつもの年末年始より長く休みをとるお店なんかもあると思うが、それでもこの時期は一時的に牛乳の需要が止まることは予想できる。

    なので、牛乳を飲んでもらいたいという説得材料として、このような状況説明も伝えているということだろう。

    国が買い取って配ればいいんじゃないの?

    「廃棄するくらいなら国が買い取って配ればいいんじゃないの?」

    消費者としては、やっぱりこれは考える。

    ただ、このような税金の使い方をしてしまうと、他の業界からも支援も求められるために公平性に欠けてしまう。

    一見、Win-Winな解決策のようにも思えるが、安易に税金で解決を図ってしまうと、そこから新たな問題や不信感を募らせてしまうために、極力その道を選ぼうとはしないのではと考えられる。

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    国が牛乳を飲もうキャンペーンを進める理由

    いつもより一杯多く牛乳を飲んでという岸田首相からの呼びかけ

    ということで、最終的に日本政府が『牛乳を飲もうキャンペーン』を勧めている理由について見ていこう。

    それは5000トンという量に関係しているのだと推察する。

    5000トンってどれくらいヤバいの?

    5000トンの牛乳を廃棄するというのは、どれくらいヤバいことなのだろうか?

    ここを考えると、国がなぜ『牛乳を飲もうキャンペーン』を進めているのかが見えてくる。

    5000トンの牛乳は、1リットルの牛乳パックで500万本。

    一杯200mlの牛乳が2500万杯分なので、国民の1/5が普段より一杯多く牛球を飲んでくれればそれで問題が解決するということがわかってくる。

    一口に5000トンと言われるとギョッとするが、実は問題解決はそれほど難しものではないのだ。

    そこが見えてくると、なぜ無料配布や価格低下につながらないかは何となく理解できるのではないだろうか。

    実は昨年も牛乳が余っていた?

    実は昨年(2020年)も新型コロナの影響で牛乳が余っていた。

    だが、事前に対策を呼びかけたことと、自粛によって帰省や旅行が控えられたために大量廃棄の危機を回避できたそうだ。

    今年も大量廃棄の危機を迎えることとなったが、国民の協力を得ることでなんとかなりそうな量でもあるので、現在「牛乳をいつもより一杯多く飲んでほしい」という岸田首相の呼びかけがあるというわけだ。

    たった一杯で大量廃棄が避けられるなら、エコの観点から人としてひとつ協力したいところだ。

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    政府からの呼びかけに対する世間の声

    そんなわけで飲んでいるホットミルクもなくなってきたので、最後に政府からの『牛乳を飲もうキャンペーン』についての世間の反応について紹介しよう。

    牛乳を使ったレシピや意外な効能など、多くの方々の支援を見ていると温かい気持ちにさせられる。

    他にも明治の牛乳を使ったレシピも結構良かった。

    牛乳飲もうキャンペーンに難色を示す人もいるにはいるが、困った時に皆で協力するのは、日本人の美徳であるのでそこは大事にしていきたい。

    牛乳を飲むことで尿酸値が下がるというのは初めて知ったし、お手軽にタンパク質も取れるので、普段牛乳を飲まない人もこの機会に牛乳を飲んでみるのもいいだろう。

    他にも、ローソンが大晦日と元旦にホットミルクを半額で提供すると発表していたので、寒空の中でホットミルクを飲んで暖を取るのもいいかもしれない。

    年末年始は、僕も牛乳ライフを楽しんでみようと思う。

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